君を救う。
馴染みの花屋で去年から売れ残ってた君。
今や陳列すらされず、フェンス裏に放置され朽ちていくのを待つだけになってたね。
デンマークカクタス。
真冬の寒さと直射日光で葉は変色し、それでも健気に蕾をつけ始めた君を見て、僕は決心したよ。
「オヤジ、枯れて捨てるんだったら俺が引き取るよ」
「んー、じゃ200円」
内心この状態で金取るんかい、と思ったがいつも世話になってるオヤジさんだ、何も言わずに素直に支払う。
葉はボロボロだが綺麗に蕾が付いているではないか
折角だから余ってる鉢に植え替えてあげよう
うん、見違えたではないか。
あまり興味が湧かない君だったが、そんな事はない、僕が間違っていたよ。
デンマークカクタス、綺麗だよ。
これから花を咲かしてもっと綺麗になっておくれ。